保育にとって大切なこと…

保育の現場で大切にしてほしいことを綴っていきます!

先生!○○くんが ごめんね言ってくれない!

こんにちは!

保育士さんのサポーター内田淑佳(うちだよしか)です!

子どもたちには
子どもたちの世界があって
そこで学んでいくことが
とても大事ですよね。

特に
子ども同士のトラブルには
どのように関わるか…
迷いますよね…。

こんなことがありました…。
あなたなら
どうしますか?

園庭で自由あそびの時間。
4歳児クラスの女の子(Aちゃん)が
「先生!Bくんが たたいてきた!」
と、私に言って来ました。
私「あらあら、大丈夫?どこが痛いの?」
Aちゃん「そんなに痛くない。あのね、Bくん、ゴメンね言ってくれない!」

なるほど。
Aちゃんは、Bくんに謝らせたいわけだ。
それを私に依頼している。

私「そっかぁ。Aちゃんは どうしたいの?」
Aちゃん「謝ってほしい」

おー、そこまで言える!素晴らしい!!

私「じゃあ、Bくんに、謝って!って言ってみたら?」
Aちゃんは少し不満顔…
私「ここで見てるから!」
Aちゃん「うん、いってくる!」

見ていると
何やら やり取りしている様子…
で、
またAちゃんは私のところへ来て

Aちゃん「なんかさぁ、ちゃんと言ってくれない!」
私「ちゃんと?」
Aちゃん「うん。目を見てくれんし、ゴメンねって言うのは言ったけど、全然 ゴメンねっていう気持ちじゃなくて 縄跳び始めるし…」

ゴメンねっていう気持ちじゃない
などという言い回し!すごい!!

私「んー…困ったねぇ…Aちゃんどうする?もっとちゃんと謝って!って言う?他の遊びする?」
Aちゃん「…」
私「Aちゃんが したいこと したらいいよ!」
Aちゃん「うん…」


Aちゃんは、私にBくんを叱ってほしかったのかもしれません。
でも、私は 子ども同士に任せる主義です。
Aちゃんは 違う遊びを始めていました。

その後
お片付けの時間になり、
遊具倉庫の前で、私はBくんと会いました。
私「あ、Bくん、Aちゃんが さっき、謝ってほしいって言ってたけど、謝ったん?」
Bくん「うん、謝ったで!」
私「そかそか!」

その後
排泄の時間になり
私はトイレでAちゃんに会いました。
私「あ、Aちゃん、Bくんに謝ったん?てきいたら、うん、謝ったって言ってたけど、どうなったん?」
Aちゃん「えー、全然ダメ!謝ってくれてへんで。ゴメンねって口だけやもん。」
私「そうなんや…」
Aちゃん「うん。もういいねん。ほっとく!」

そこへAちゃんと仲良しのCちゃん
Cちゃん「そやねん。Bくん、いつも そうやねん、ちゃんと謝らへん」
Aちゃん「そやねん、だからな、もうほっとくねん、謝らへんねん」
Cちゃん「そやねん、ほっとくねん、ねー!!」

………
んー
なんて言おうかな…私…

と、その時!

トイレの奥から
5歳児クラスの先生(D先生)が現れましてん!!
D先生「ちょっとそれ、聞き捨てならん言葉やな!」

私もですが
Aちゃん、Cちゃんは
さぞかしビックリしたことでしょう!
一瞬にして
辺りの空気がピーンとしました…。

D先生「ほっとくねん、って、凄い言い方やな。先生には意地悪な言葉に聞こえるねんけど!」

みな、沈黙…

D先生「ちょっと それは 私は 好きな言葉じゃないわー。なにがあったかは、知らないけど!」



私は
あえてAちゃんにもCちゃんにも
言葉を 掛けませんでした。


私自身、D先生の言葉には
考えさせられるものがあり、
Aちゃんにも
Cちゃんにも
それぞれの、その時 生じた感情を
味わってほしいと
思ったからです。



何が正しい、というものではなく
人間関係の始まりを
体験していく子どもたちですから
色々な事から
色々な感情を味わってほしいと
私は思います。


私感は私感として表現し
自分の価値観を押し付けず
子ども自身が感じる
その時の心の動きを
存分に味わってほしい。

あなたなら
どうしますか?